その夜、涙が止まらなくて…




直にも


美亜にも


言えなくて……




さくらに電話した。





「私、まだ大人の恋はわかりません。だけど、ゆかり先輩…間違ってないと思う。」



さくらは、同じクラスの庸介に恋をしているけど、

バイト先の店長にときめくことがある、と告白してくれた。



違うタイプの人に惹かれてしまうのは、誰にでもあるんじゃないかって。


「でも、たっくん裏切ったら嫌ですよ…浮気は嫌です。ゆかり先輩の恋はいつでも応援するから… その先生を好きになったんだったら、応援します。だから、たっくんと話し合ってください。」


年下のさくらに、こんな事を言わせてしまって…



「恋愛って難しいですね。相手の気持ちって本当にわかんなくて…庸介にいじわるばっかりされてるんです。だけど、友達は庸介は私を好きだって言ってくれる。でも、好きなら優しくしてくれるはずじゃないんですか。」


最近、私が落ち込んでいてなかなかバイト中も話ができなかった。

さくらと長電話するのは初めてだったけど、きっとこれから何度も電話しちゃうんだろうって思うくらい楽しい時間だった。


「私の友達に、美亜って子がいるんだけど…その子の好きな人もいじわるでね、何考えてんのか、わかんないんだ。でも、絶対美亜のことが好きだと思う。男の人って、口で言ってることが真実だとは限らない。」