「何かあったらいつでも相談してくださいね。中田さん…でしたっけ?」
名前を呼ばれて少し嬉しい気持ちになる自分が嫌で…
なるべく野間さんの目を見ないようにした。
直達のいるベンチへ向かい、おしゃべりに参加する。
「あの人、ゆかりに気があるんじゃない?チョ~優しいじゃん。」
美亜が野間さんを指差す。
「結構、かっこいい人多いね。この教習所。友達が前にここで好きな人できたって言ってたもん。」
桃子のその言葉に、私は野間さんの顔を思い浮かべた。
「講習の方じゃなくて、車乗る練習の時の先生だったと思うけど、メアド交換までしてたよぉ。」
「まぁ、私達には関係ないよね。4人とも好きな人いるからね。」
「うんうん。そだね~!でも、かっこいい先生が多いって事は素敵な事だね。楽しみ~!」
女の子がこう思うのと同じで、男の人もやっぱりかわいい女の子がいると嬉しいんだよね。
病院とか店員さんとか、かわいい人がいるとやっぱり嬉しいのかなぁ。
先生も、かわいい生徒が多いと嬉しいの?
たっくんも、かわいい子がクラスにいっぱいいると嬉しいの?
なんだか、悲しい。
男は浮気をするって堂々と言うさやみともえかの話に、いつも反論してたけど…
いつか…
たっくんも、他の女性に夢中になったりするのかな…
私に飽きちゃったりするのかな…