ゆかりが話していた時間は、3分もなかったのかもしれない。

だけど、俺には…


とてもとても長く感じられ…


胃が痛むほどの辛い時間だった。



「女ってずっと喋ってるなぁ…楽しそう。直は、いつ俺に気付いてくれるんだか…」


「終わったら普通すぐ帰るだろ?ゆかりも、何か食いだしたし…」


「はあ…終わったらすぐ俺にメールくれるだろうと思ってたのに。女は、人生を楽しんでるなぁ…何があんなに面白いんだろう…直、ずっと笑ってる。」


先生は、鳴らない自分の携帯を寂しそうに眺めてる。


「ま…仕方ないか。今日は、直と中田のお互いの友達と初めて会ったんだから、話に花が咲くのも仕方ねぇなぁ… 直のあんな笑顔久しぶり。高校の時は毎日、見ることができたのにな…」



先生は、切ない顔してた。


直と先生ほどの関係でも、いろいろあるんだな…



「あ!メール来たぁ…たっくんは携帯がないからメール来ないねぇ」


くっそぉ!!

先生は、嬉しそうにメールと直を交互に見てる。


『今から帰るね。美亜ちゃんと仲良くなったよぉ!』


そのメールを俺に見せながら、先生は立ち上がる。


「あっれ~?直の嘘つきぃ…今から帰るって言ったのに、また座って何か食ってる。」


「あははは…面白い…女の行動って意味不明。でも、こんなの見れてちょっとドキドキですよ、俺。」



結局、それから10分くらいメアドの交換や、待ち受けを見せ合ったり…

ゆかり達は、笑いながら何かを食いながら、嬉しそうに笑ってばかりいた。