昨日の夜、美亜は隆介君の家に行った。


今朝、興奮しすぎていてほとんど会話にならなかった美亜だけど…

昼休みになり少し落ち着いた。


恋すると綺麗になるんだね。

美亜は瞳がキラキラしてた。


ドキドキして瞳孔が開いているせいか、潤んだ瞳がとても美しい。



朝の会話でわかったことは…


隆介君が一人暮らしをしていることと

部屋は結構綺麗に片付いていたこと。


みーたんとりゅーたんは、背中の色が少し違うだけでそっくりだということ。




「で…どうだったの?」

「なんかあった?」


さやみともえかは、じれったい2人の恋にイライラしてるんだ。


「私だったら絶対自分からキスしちゃう!」

「私も、好きって言っちゃうよ!」


私だったら…どうだろう。

たっくんは、早い段階でキスしてくれて、好きだと言ってくれたけど。

もし、あのまま言ってくれなかったら…



美亜は、高校時代の辛い経験からか、恋に臆病になってる。

周りから見ると、もう絶対大丈夫なんだけど…

自信がないんだって…



それは、きっと隆介君も同じだと思う。

だから2人の恋はスピードが遅い。



でも、いいよね。


それでも。


ちょっとずつでも2人のペースで近づいていけば…



「隆介、コーヒー入れてくれた。ピンクのマグカップに…あのマグカップ、鈴子のかな?」


ハムスターの登場で、すっかり影を潜めていた鈴子の存在。


落ち込んでいたかと思うと、ニヤニヤし出した美亜。


「でもね…美亜が暗い場所が嫌いって言ってたら、突然電気消すんだよ~。Sだよね~。
でも、美亜が泣き出すと慌てて電気つけてくれて…優しいの…むふふふ。」