落ち込む私の元に走ってきたのは、美亜。
いつものことだけど、美亜のダッシュは勢いが良すぎる。
3限目からの講義で、ぐっすり眠れたはずだけど、なんとなく頭が重い。
「ゆかりぃぃ!!やばい!!」
これもいつものことだけど、私の服を掴んで走り出す。
「さっき、門の前に隆介がいた!! コレ、くれた!!」
鞄からもぞもぞと出してきたのは、小さな紙袋。
その中を覗き込んだ私は、悲鳴を上げた。
……ちょっとぉ!!
ありえないよ。
「…かわいいでしょ?ハムスター!昨日の夜、ハムスターの話してたんだ。隆介の友達が飼ってるハムスターが大量に子供を産んで、困ってるって…冗談で、美亜ハムスター欲しいなぁって言ってたら、本当に持ってきてくれたぁ!!」
…さすが隆介君。
思いもよらない行動で、ますます美亜のハートを掴む。
「それでね!!隆介も一匹飼うんだって!すんごい嬉しい!!もう、鈴子なんて気にしないもん。」
美亜は、紙袋の中のかわいい小さなハムスターを撫でながらニヤニヤと笑ってる。
「名前は?」
「もちろん、りゅーたん! 隆介がね、隆介のハムスターの名前、みーたんにしたって言うんだぁ!!美亜のみーたんだよね?鈴子なら、すーたんだもんね。」
超ハイテンションな美亜の早口が面白くて、私まで幸せな気持ちになってくる。
「それでね、マジ嬉しかったんだけど…帰り際に、頭撫でてくれたんだぁ。大事にしろよって。私、ドキドキして今日、おかしいよぉ。」
「今日は、サボっていいんじゃない?りゅーたんの小屋でも買いに行く?」

