月が2つある。 幻想的で、夢の中のよう。 きっと月の魔法… 俺もゆかりも心の中を全部吐き出せたのは、この月のおかげ。 ―――――バッシャーーーーーン……… 俺は、湖の真ん中目掛けて… 思い切り 投げた。 こんなもののせいで、ゆかりを苦しめるくらいなら いらねぇんだよ… ゆかり以上に大事な物もねぇし、誰の連絡先もいらねぇ。 大きな円を描きながら、湖は静まり返って行く。 俺は、 携帯電話を 湖に 投げた。