心臓が口から出そうだって、こういう状況のことを言うんだ。


嬉しいドキドキとは違う苦しい胸のドキドキで…意識が遠のく。



とっさにベッドの片隅に置いた携帯電話。


元あった場所へキチンと戻す。


無意識に記憶されてるさっきまでの携帯の位置。



女って怖い。

人間って恐ろしい。


私は、自分が自分で怖くてたまらなくなった。



平気な顔して

何やってんの?

まさか、

黙ってるつもり?


それとも、正直に話す?


ガッカリするよ…


きっと


たっくんの愛は


半分以下に


減るよ。



せっかく仲直りしたのに…



あんたバカだよ、ゆかり。




…助けて。



助けて…直。






たっくんが、濡れた髪をかきあげながら私に近づく。



「おまたへ~!もっかいする?」

そんなかわいい笑顔で

私に微笑まないで。



私は


たっくんに愛される資格がない。