私のフォルダを作ってくれてることに感動しつつ、他の受信箱を見た。



『そろそろ来てよ。卓弥に会いたい。奈津姫』

『3P期待してま~す。愛柚』

『元気なくなったらいつでも癒してあげる。よる』




ダレデスカ。

明らかに夜の世界の匂い。

キャバクラの女の人なんだろうって想像はつく。


見知らぬ名前が並ぶ。





『子供順調だよ、パパ!』


恵さんからのメール。

冗談に決まってる。

友達だからメールくらいするのは当然…




『来週、カラオケ行かない?奈々』

『月曜の講義、席取っといて!!』

『借りてたCDもうちょっと貸して~!美月より』

『卓弥先輩、お疲れさまです~』


誰なのか

どういう関係なのか

私が知るはずもない。



当たり前。


たっくんにはたっくんの時間があり、たっくんの世界がある。


私の学校でのことを全てたっくんが知らないように、私も全部なんて知ることはできない。




それが当たり前。




だけど…



見てしまった。




見てしまうと、全てが怪しく思える。


きっとただのクラスメートや

ただの後輩。



私だって、普通にメールする男友達くらいいるじゃん。



溢れる涙を抑えようと必死・・・


たっくんは

もうシャワーを浴び終えて、バスローブ姿で髪を乾かしてる。