それから、キャバクラに通っていたことを話した。

そこで、特別愛が生まれたわけでもなく、客として通ってたと…


そして、あの日…


ゆかりが俺に助けを求めてくれた日。


その日に、俺は店に『さよなら』を言った。


もうこの街に来ることはないって…

誰が大事かわかったから…


毎晩ゆかりのことばかり考えて眠れない俺がいたから…



ちゃんとゆかりと向き合いたいって思った。




ゆかりは、苦笑いをしたり…涙を浮かべたり、スネてみたり…


だけど、最後には優しく微笑んでくれた。



「話してくれてありがとう。ヤキモチ焼いちゃうけど、自分への罰だと思って乗り越える。もう、絶対やだよ。私以外の人に頼ったりしないで…」


「ああ。俺、もう大丈夫。強くなったから。お前をずっと不安にさせてきた原因が俺にあったんだと気付いた。」


ゆかりは、俺の指に指を絡めて笑った。


「たっくん、大好き。」


「俺も、ゆかりが大好き。別れる前より好き。」


「え?別れてないよ?」


「ば~か!!俺を泣かせたくせに~」


「私のキャミソールで一人エッチした?」


「ぶはっ!!バカ!!お前こそ俺のシャツの匂い嗅いでたんだろ?」


「うん。でも最近匂わないんだぁ。」


「じゃあ、本物の俺の匂い…嗅ぎに行く??」



いつの間にか外は真っ暗で、今日も月が綺麗だった。