「早く友達に言った方が良いよぉ!」

私は、さくらの口にこっそりさくらんぼを運ぶ。


「へぇ…べぼぉ…」


さくらんぼをくわえたままのさくらは途中で笑い出す。


「しゃべれないじゃないですかぁ!あの、でも…友達も好きっぽいんですよ…それが今の悩み…」


「えぇ?なおさら早く言わなきゃ、言うタイミングなくなっちゃうよ?」


私は、直を思い出す。


誰にも内緒の恋だったから、同じグループの依子が先生を好きだと言った時、すごく苦しんでたよね。


と、同時に龍のことも思い出した。



そして、開店までの15分壁を磨きながら、昔の恋のコト…さくらに話した。


龍とのこと。


別れてからもずっと好きだったのに、どうして依子に紹介なんてしたのかって話。


そして、龍が好きだったことを依子に話してから、友情が深まったこと。



「やばいです…私、泣いちゃいそうです…ゆかり先輩、尊敬しちゃいます。」

さくらは、私の話に目を大きくしたり、えぇ~!と叫んだり…

すごく真剣に聞いてくれた。



バイトの休憩時間私は、公園にさくらを連れて行った。