うつむきながら私にペコっと頭を下げるさやみに、美亜からのキック。


机の下で、さやみの足を攻撃…


「ごめんなさぁい…」



もえかが携帯を見ながら言う。


「ヒロシって結構本気で惚れちゃったみたいだよ。彼氏が言ってた。」



一度会っただけで惚れるって…

私の何を知ってるんだろ…




あ。


そうか。



私も、そうだったっけ…



ヒロシよりもっと短い時間で惚れちゃったんだ、たっくんに。



これが、一目惚れって言うんだ…

そう思った。



一瞬のうちに、頭の中に『スキ』って文字が躍ってた。




私は、たっくんの何が好きなんだろう…



本当に好きなんだ。




他の人がどんなに私を好きだと言ってくれても、

私に優しくしても、

プレゼントをくれても…



逃げていくたっくんを選んでしまう。



それくらいに、大好きなんだ…ってもう気付いた。




別れてからの方が、自分の気持ちがよく見える。


たっくんの優しさがよくわかる。




大事にされてたんだぁ…





私は、ヒロシに断りのメールを入れる。


『ごめんなさい。今日はバイトなので、すぐに帰ります。』



その送信メールを見たさやみが一言…


「ゆかりちゃん、キッツ~!それ、完璧フッてるよぉ!あはははは」


「それでいいの!変に期待させると困るし。ゆかり、今日バイト頑張ってね。」

美亜が私の足をツンツンとしてきた。


美亜には全部話した。


毎週月曜が私とたっくんをつなぐ唯一の大事な日…


だけど、ここ何週間か、たっくんは現れない。




そして…今日が月曜日。