【卓弥】




元の生活に戻るには

いろいろな後片付けをしなくてはいけない。




乱れてた俺の生活・・・


乱れてた女関係・・・



同伴をドタキャンした日から、奈津姫の態度も変わった。


明らかに店の中でも厳しい口調…


『愛柚』と『よる』に向けられる疑いの目。



まぁ、確かに3Pしよう・・・なんて言っちゃった俺が悪いんだけど。


そんなの実現するわけないのに。




俺は、今日でこの店に来るのも最後にしようと決めていた。


最後に、ちゃんとみんなに『ありがとう』と『さよなら』を言いたかったんだ。



奈津姫は、スネたように俺の背中を叩く。



「せっかく仲良くなれたのに・・・実は、この世界から抜け出せるかな・・って思ってたんだぁ。」



「ごめん・・・だけど、俺もお前のこと忘れないから。どうしようもなかった俺にとって、お前の笑顔が支えになった。」


嘘じゃない。


あの時、偶然ポケットに入ってた名刺は

神様からのプレゼントだって思うよ。



奈津姫の美しさと、この店の華やかさに…


すっかりハマってたな。



そのおかげで俺は笑えるようになった。

乱れてたけど、自分を待ってる人がいると思うと嬉しかったんだ。