夜中まで探した。


何度も声をかけられた。


泣きそうになった。


たっくんに似た人を何人か見た。


走って追い掛けたけど、違う人だった。




勇気を振り絞って、携帯に電話をかけた。



圏外………………





これが答え?





もう、私とたっくんは


おしまいなのかな………




直から電話があり、私は直に怒られた。


だけど、直は言ってくれたよ……



………気持ちはすごくわかるよ、って。


だけど、危ないから夜中はダメだよ……って。



直の声聞いたら、涙が止まらなくて……泣きながら電車の連結部分にしゃがみ込んだ。



家に帰って、たっくんのシャツを抱きしめた。



………もう………たっくんの匂いが消えていた。




たっくん………ごめんね。



たっくんの愛を信じられなかった私を


許して………




たっくん………ほんとにごめん。



私、自分のことばかり考えてた。



たっくんの心の中の苦しみや悩みを


少しも理解しようとしてなかったね。




匂いの消えたシャツを抱きながら眠った。