月曜日―――



心配した直が店まで送ってくれた。


泣いてばかりの私を心配して、昨日は家に泊まってくれた。




「ゆかり、大丈夫?お皿割ってもいいけど、怪我しちゃだめだよ!」


直が、私の背中をポンって押す。



「さくらちゃん、まだ?」


直は、さくらに会ってみたいと言うんだ。

ゆかりの大事な人にはちゃんと会いたい…なんて。



「あ~!!ゆかり先輩!おはようございますぅ!」


「さくらぁ…あのね、前に話した親友の直だよ!」


直は、会いたいと言ってたくせに真っ赤になって下を向く。


「あぁ!あの、先生と禁断の恋を実らせて、音楽室でエッチしたって言う直さんですかぁ?」


直は、あきれ顔で私を見た。


「ゆかりぃ…どこまで話してんのぉ?…初めまして、矢沢直です。あの…ちょっといい?」


私を残して、直とさくらは公園の片隅で話し出した。

桜の花びらが2人を包む。




「さくらちゃん、よろしくね。…じゃ…また夜電話するね!ゆかり。」

「直さん、また遊んでくださいねぇ!」




2人の話したことは大体想像がつくから泣きそうになる。



バイト中、さくらは何度も私の頭を撫でてくれたんだ。



「いろいろ…あったみたいですけど…話したくなったら、話してください。」


「うん…ありがとぉ。」




その日、緊張して待っていたけどたっくんは現れなかった。


恵さんは、元気に仕事をしながら私に言う。


「タク、何かあった?携帯つながんないんだけど…」



たっくんは、恵さんを選んだくせに恵さんを不安にさせてる。


たっくんは恵さんを選んだんじゃないの?





今、どこにいるの?


微笑みかけてくれなくていいから、ただ元気な顔が見たい。