【ゆかり】



昨日はなかなか眠れなくて…


夜中に直に電話した。



直は、泣いてた。


私の為にいっぱいいっぱい泣いてくれた。




私はバイトを辞めないって決めた。


一番の理由は…さくらちゃんかなぁ…


なんとなくあの子を置いて辞めることはできない。



会ったその日にあんなに心を許せたのはなぜだろう…

なんとなく似てるからかな、直に。


直との出会いも、運命的だったよね。


最初に話したその日に、話が盛り上がりすぎてずっと2人で話してた。

明日も会えるのに、遅くまでずっと話してたよね…



私…決めたんだ。



別れるって―――




たっくんの気持ちは、よくわかった。


だけど、いくら好きだとか一緒に生きていきたいと言われても

今…一緒にいたいのは別の人・・なんだよ?



そんなの我慢できないよ…すがりついてでも、彼女でいたいと思ったけど

もう疲れた。



だけど、逃げたくない。


あきらめるつもりもない。


無理に諦める辛さは、直を見てきて…よく知ってるから。


自然に任せる。



会えなくなるのは寂しいから、バイトは続ける。

さくらがいるから、バイトも頑張れるもん。


妹みたいですごくかわいいんだぁ。

でも時々お姉ちゃんみたいに優しくてあったかい。


ここで辞めたら、恵さんに負けたことになる。

辛くても悔しくても、近くで見てるから。


これからたっくんがどういう道を歩くのか…



ただ、その隣にいるのはもう私じゃないんだね…