アナタを振り向かせる。

翌朝。何時も早い時間に出勤すると言う情報を得て、

普段よりもかなり早い時間に飛び出した。外は昨日の天気が嘘のように快晴。

やっぱり私の心を表しているのかな?なんてまた都合のいい事を考える。

人気の少ない桜の並木道を走っていれば、前にぽつりと誰かがいるのをとらえる。

もしかして、と思い期待を胸に加速する。

近付くにつれてその姿は明確になる。私は確信する。あれは彼だと。


「なぐもさぁ~~ん」


彼からすればまだあの時点では名乗ってもいない見ず知らずの私。

名前呼びなんて失礼だから最初は名字で。

大きな声が届いたのか、立ち止まって振り向く諒太さん。


「おはようございますっ」


勢いよく元気に明るく。南雲さんは少し驚いてから一言。


「おはよう。誰かと思えば、昨日の子?」

「はいっ! 私、秋村(あきむら)周って言います」


桜の緑の葉が眩しく感じる朝。これが第一歩。



待っていて。私は必ずアナタを振り向かせる。