「あ、宇海さん。生理の日は西館一階の保健室か本館五階にある女子トイレを使ってね」
 霄がいるにも関わらず言う校長。まぁ、そういう話してたからいいけっどさ、普通もう少し違う言い方するはずだし。
 こっそり言うとか。
「保健室は遠いから、本館の方がいいわね」
 そういえば、教室とか聞いてない。
「教室どこか分かんないんだけど……?」
 隣にいる霄の袖を引っ張って言うと、校長があら……と驚いた表情をした。
「霄さん、教えてあげて」
 霄はこっちが見ていて可哀相な位に力が無い返事をした。精気が吸い取られたって感じ。
「二年の教室は東館の四階で、一年が五階、三年が三階。西館は主に部活棟だから殆ど部室だ」
 部活棟か……。ま、あたしは部活入らないから関係無いか。
「本館五階のトイレは誰も来ないから安心よ。近くに誰も使っていない更衣室もあるし……自由に使ってちょうだい」
 宇海頭を下げると、心の中で今までに無いほど感謝した。こんなに感謝したことは今まで一度も無いらしい。