「お前の周りには普通のやつはいないのか?正常なやつ」
多分、羽柴はまだ普通な方だろ。……あの鼻眼鏡をかけなければの話しだけど。

これはツッコんだ方がいいのか?霄が何にも言わないのは、スルーしてるから?敢えて何も言わないのか?
羽柴は別にツッコミを待っているわけではないらしく、通りすがりのやつに話しかけてる。
しかも、そいつも鼻眼鏡にツッコまない。普通に話してるし!

「霄……羽柴のためにツッコんでやれよ」
「あ?あいつにか?」
何、この霄のニヤニヤした表情。……しまった、毎日発情期だったなこいつ。
つーか、そんなことで喜ぶな!小中学生か!

「まぁいいか……。霄、早く行こうぜ」
霄のせいであたしがツッコむタイミングも逃した。

羽柴は行こうとするあたしたちに気付くと、手を振ってきた。
霄はじゃあな。と手を挙げて歩き出す。
「あ!ねぇ名前何て言うの?」

羽柴が鼻眼鏡のまま近付いてきた。ヤバい。笑いそうだから!
「佐藤宇海。お前は?」
「僕は羽柴だよ。よろしく!」
手を差し出され、少し迷ったけど握手。鼻眼鏡くらい取ってほしい。何か変な感じするから!
つーか……羽柴って名字だろ?名前は?