ここに来て数日。奇跡が起きて、生徒会長と副会長に会っていない。
学校に泊まり込みで何かしてるらしい。

 ここ数日の新たな発見は…帝志の彼女がめっちゃ可愛いってこと。
 帝志には勿体ない…。

 そんなことはどうでもいいけど。

あたしは学ランを見ながらため息をついた。
今日から学校が始まると思うと…めっちゃ憂鬱。

「宇海!急げよ」
ドアの向こうからの霄の声。急かされると…急ぎたくない。
ため息をついてから、スウェットを脱ぐ。少しは胸有るんだからって渡された、メイドイン親父の腹巻き…じゃなくて、胸巻き。
ヤベっ、帝志のがうつった!恐るべし……帝志語。

「お前、遅いぞ…」
バカ霄が人が着替えてるっていうのに、ドアを開ける。
「入って来るな!このボケが!」
ちょうど手元にあった本を投げてやった。フツー開けねぇだろ?それに…女だって知ってんだし!

宙を飛んだ本は、見事に霄の額に当たると力尽きた。
ついでに霄も。

霄が痛さでうずくまってるうちに素早く着替えを済ませると、悶え苦しんでいる霄を跨いで部屋を出た。
「宇海!お前……!」
「はよー。……自業自得だろ」

冷たく言い放つと、階段を下りる。
減るもんじゃねぇけど…上半身裸を見られるわけにはいかねぇよ!
男とは決定的に違うものがあるからな!

霄は……わざとじゃねぇだろうけどな。