翌々日、あたしと琉珂はあっちの環境に馴れる為に、早めに行くことにした。
ついでに余分なものもついて。

「霄……お前、まだこっちでの休みエンジョイしてろよ!」
「意外と……暇なんだよな」

昨日、部屋に女連れ込んでその後、わざわざあたしのとこ来てずっとこっちにいたい!って言ってたのはどこのどいつだ!

「いいじゃないか〜旅は道連れって言うし」
「親父は黙ってろ」

横からの声をぴしゃりと一刀断すると、親父は泣きまねしながら、家の中に入っていった。親父には分かんねぇだろう……こいつの隣に座る嫌さは。

いつだったか一緒に車乗ったとき、あたしは寝たいっていうのに、くだらない事で起こしやがって…!
あの時、ぜってー金輪際、霄の隣には座らないって誓った。

「お姉ちゃん、どうしたの?」
「あ、何でもない」

そう?と微笑を浮かべる天使に癒されたとこで…どうやって座ろうか?
親父は運転だろ?母さんは助手席で…問題はあたしと琉珂と霄。

霄の隣は嫌だけど…琉珂を霄の隣にするのも嫌。
汚される!近くにいるだけで汚染される!

やっぱり…琉珂、あたし、霄の順番が妥当だな。

「琉珂ー!先…」
「お姉ちゃん乗りなよ。僕は真ん中でいいから!ね?」
「でも…って霄!先に乗るな!」
ちゃっかり乗り込んでくつろいでる霄に頭きた。
やっぱり琉珂を霄の隣にはしたくないわ!

あたしは車に乗り込むと、霄の頭を数発殴った。

「いてっ!」
「バーカ。…琉珂?」

ぼーっと立っていた琉珂はあたしの言葉に、微笑みながら車に入って来た。
一瞬、琉珂とは思えないほど恐い睨む顔を霄に向けたのは見間違い…?