少し笑いながら走っていると、バス停の所に二人を発見。

「宇海…よね?」
「ああ、うん。」

キャップを脱ぐと、髪をかきあげた。絶対、跡ついてる!

「宇海ちゃん…男の子みたい…。」
苦笑いしかできないし〜。

「とりあえず、砂浜に降りようぜ。」

なるべく遠くに行きたいし。霄が追って来たら嫌だからなぁ…。

自販機でお茶を買うと、砂浜に出た。

「宇海!どういう事なの?」
何て答えればいいものか…そのまま言うしかないか。

つーか…言っていいわけ?バレたらマズイんじゃ…。
でも、遊びに行っていいって…里美とか萌華にはバラしていいって事か。

知ってる人いないとあたし的にエライから

「簡潔に言うと…転校するから」
「簡潔すぎじゃ…」

あたしも簡潔すぎると思ったけどさ。理由言うのめんどくさいじゃん。

「なんか〜琉珂が心配だからってさ。」
「宇海ちゃん…普通だね。」

残念ながら内心、まだ納得いってないトコあるから。
結構まだ動揺してるし!

「うらやましい…」
ぼそっと萌華が呟いた。
…言うと思った!

「うらやましくねぇよ!!」
あたしにとっては死活問題だから!うっかり忘れそうになったけど!

「大丈夫なの…?」
「あーうーん…大丈夫なヤツいるし……天敵だけど。」

だから大丈夫ってわけじゃねぇし!

「さっきの人…?」
「あ、まぁね。何で分かった?」

さっきから視界の隅で萌華がズルイってチラチラ見ながらあたしに目で訴えてくるんだけど!?


「知り合いっぽかったから。」
「ん?そう?…めっちゃ他人になれた気がしたのにな…」

あたしが呟くと、里美が笑い出した。

「宇海ちゃんでも全く知らない人を蹴ったりしないでしょ?」

残念ながら…するから。蹴りまくるから!