今霄にバレるのは嫌だな…。どうせ一緒にいるのは高校の友達だろうし。

キャップを深くかぶれば分かんないか。霄と最後に会ったのは結構前だし。
二人のとこ行って…名前言わせないようにしよう。

キャップを深くかぶると、ポケットに手を入れて近付いた。
がに股意識で。
まぁ、元から内股では無かったけどさ。

ボコるのはやめとこ。
バレたくないし…男二人って…な、慣れるためだ。

もちろん霄は男の分類に入れてないから。

「ほんとにどいてよね!」
「二人なんでしょ?オレたちヒマなんだよね…。」

うっぜぇー霄の友達A。

「人を待ってるのよ!」
 待ってないっしょ?本屋の袋持ってんじゃん!やっぱり本屋行ってたか。

つーか、その中身見ればヒいて開放してくれるんじゃ…。

「女の子?だったらその子も…」
「残念ながら男ですけど?」

声をなるべく低くして言った。…声で霄にバレってことも有り得るしさ。

「え…?」
「あら……もしかして…う」
萌華に素早く近付くと、口を塞いだ。
名前言うなーー!

「名前言うなよ。」

小声で二人に言うと、霄たちの方を見る。
あーらら、眉間にシワ。

「女二人もはべらせてデートか?」
「そうだけど?文句あんの?」

友達Bもやっぱりうざい。

「モテない男は辛いな。」
あたしもモテてるわけじゃないけど。

少しカチンときたみたいでさっきより更に眉間にシワ。

…それはまぁ良いとして、霄がさっきからガン見してくるんですが!?