なんか、聞いたこと有るような…。

ベッドに横たわるケータイを凝視しながら首を傾げていると、また鳴り出した。

恐る恐るケータイを開くと…霄って文字。
…マジでか?ビックリして投げて損した。

「もしもし?」
『なんで切んだよ!?』
「あーっと、ね…寝ぼけてた。」

ホントのことなんて絶対言わない。男の声がしてビックリしたなんて。

『寝るの早くね?』
「アタシ良い子だから早く寝るんですよ。」

良い子を強調して最大限のイヤミを出し切った。

『お前が良い子って間違いだろ。』
こいつムカつく。今に始まったコトじゃないけど…ムカつく。

「…で、なに?」

寝てたわけじゃないからこれ以上は止めておく。

『お前…教えただろ?』
「なにを?」
しーらね。たぶん、百パー番号教えたことだけど…
『何で教えんだよ…』
「教えるななんて言われてないし。」
『お前…』

やっぱイヤだったって訳か。アタシが霄の味方するわけないのにさ。

「いいじゃん。お前、女好きだし。」
『それとこれとは全然違うだろ?』

どう違うのかさっぱりだ。