「こんなに優しい子に育って…父さん嬉しい!」

おいおい泣く親父に呆れながら、引っ剥がすと牛乳をパックのままで飲んだ。

「母さんみたいに優しく育って…」

エプロンで涙を拭いてる。…母さん…優しいのか?どう見ても親父にはキツいじゃん。

「もうちょい威厳もちなよ…」
でもさ…母さんみたいな女は親父みたいな男が一番いいんだと思う。逆にしても同じ。

2人共キツかったら…離婚してる。絶対。


「ご飯なに〜?」
「今日は琉珂の好きなハンバーグだ♪」

ふーん。とダイニングのイスに座ると琉珂が下りてきた。

「お父さん、煮込みハンバーグがいいなぁ。」
「任せろ☆」

このツーショット…ほんわかしてるなぁ…。

「お姉ちゃん、明後日予定ある?」

明後日は…里美と萌華と海行く約束したんだっけ。

「里美たちと出かけるけど…」
「そっか…映画行かないかなぁ〜って思ったんだけど…券明後日までだし…」

うっ…せっかくの琉珂のお誘い…!でも…里美たちの方が先だし…残念。
アタシ、一応友だちは大切にするタチだから。

「あ…円(まどか)と行ってきなよ。」

アタシが言うと、琉珂は残念そうな顔をしたけど、頷いた。