「ああ、うん」 急いで、ファイルを手に持って出かける。 「河原君」 初めてではないのかな。 きみの名前を呼んだの。 「何」 気のせいなのか、冷たいまなざし。 「どこの大学に行くの」 「・・・わからないや」 うそ、うそよ。 きちんと決めていたじゃないの。 うわさと違っていたじゃないの。