買い物袋を台所に置き、俺は手を洗う。


「あ、私なんか手伝うよ?」


「いいよいいよ。それより空の相手してやって。」


ちょっと寂しそうな顔をしたが、すぐに空が自分の部屋に連れて行く。


慣れた手付きで野菜を切り、鍋の準備をテキパキと行う。


「本当に兄妹だったんだね。風羽君と空ちゃん。」


『ん?そうだよ。まだ信じてなかったの?』


「だって双子って言ったら普通顔がそっくりなのに、すごいいい意味で似てないじゃん。」


『よく言われる。でも私たちにしてみればそんなに違いはないよ?双子でも男と女なんだから大なり小なり違うところはあるよ。』


空が俺をどう思ってるのかは知らないが、少なくとも空は俺を恋愛対象にしていない。当たり前だし俺もそうだ。


「でも、ないの?兄妹でちょっとその…エッチな感情とか…」


『あるわけないじゃん!?兄妹だよ、私たち。ないない。』


しばらくすると部屋中においしそうな匂いがたちこめた。


「できたよ~。」


『は~い。』