中学三年秋…

どこの高校に行くか迷っていた。


いや、表現を間違えた。どこの高校に行けるか迷っていた…


『ねぇ~、大地はどこ受けるの~?』


もうきつくなった(特に胸元)セーラー服をかわいく着こなした空が、高校一覧を見ていた俺の上から覗いて来た。


「ん~?柚華(ゆうか)か光林(こうりん)かな~?」


今更ながら、俺たちの高校の名前は
『柚華高校』である(←作者怠慢)。


柚華の偏差値は中の上、俺がかなり勉強しないといけない。


光林は家から遠いが、まだ俺でもなんとかなる…


「空と海は?」


『私たちもね~。迷ってるんだ~。柚華か帝鳳(ていほう)に。』


帝鳳高校…、学区内最も偏差値の高く、部活もほとんどが全国に行くほどのまさに『文武両道』を形にした学校…


って…空と海が柚華?オール5確実、特待も推薦も十分な空と海が柚華か帝鳳かで迷う?


「なんで柚華なんだよ?お前らなら帝鳳でもトップクラスだろう?」


『ん~…否定はしないけど(←しないんだ…)…あそこ家からすごい遠いし、制服があんまりかわいくない…。柚華なら家から近いし、制服も学区内で一番かわいいし…』