カフェを出る手前で、ふと足を止めたJはくるっとヴァネッサ達のテーブルを振り返り、その場にマーサを残したままヴァネッサのテーブルまで再びやってきた

さっきからの読めないJの行動に、次は何かと構えるヴァネッサだったが

「コレ、忘れたわ・・」

とテーブルに広げられたポーチを指差した

「え?」

聞き返すヴァネッサに

「コレ、マーサのって言ったのお前だろ?」

Jの言葉に眉をひそめるヴァネッサだったが

「つーか、面倒臭せ~・・」

と広げられたコスメ類に眉をひそめるJだったが、ふと目に入ったペットボトルの入った袋を指差し

「この袋ちょうだいね」

と中身を取り出し、その袋にテーブルのコスメやポーチをドサッと入れ

「んじゃ、ごゆっくり~」

と後ろ手に未だに立ちすくんでいるマーサの前まで颯爽と歩き

「お待たせ~ はい、忘れ物!!」

とマーサに笑顔でその袋を手渡したのだが

マーサはその袋を受け取ろうとしない

そんなマーサに

「仕方ない・・ 基本、女のカバン持つのってどうかと思うけど、コレ、カバンじゃないしね~」

と笑顔を見せ、ふたたびマーサの肩を抱き、ヴァネッサ達の視界から消えたのだった