「ココー 電話よ~」

教科書も授業も全て英語での授業についていくには予習をしていかないと全く理解できないので、ココは机に向って勉強をしていたのだが、その時、下のフロアからマロンさんの声が響いた

電話?

勉強の邪魔にならないように携帯の電源はオフにしてあったので、わざわざ家電に掛けてきたというわけらしいが、ハンナにさえここの家の番号は教えていないのに誰からだろう・・と首をかしげながらココは下の階へ降りていった

ココの視界に映ったのは笑顔で電話で話すジョナサンと受話器に耳をくっつけて自分も話を聞こうと必死なマロンの姿

そのおかしな夫婦の様子に引きつったココだったが、意を決してマロンの肩をトントンと叩いた

「え? あっ! ココ!! 電話よ? ほら、ココが来たんだから電話代わって!!」

とマロンはジョナサンから無理やり受話器を引き剥がし、ココに手渡した

相手が誰かも聞かずにいきなり手渡された受話器

ココは遠慮がちに

「ハロー?」

と言ったのだが

「ココ? ママよ? ハローなんて・・ もう顔を見なくても英語がでるなんて頑張ってるのねぇ~」

こっちに来てから、ジョーやケーゴからの電話はあったが、両親からの電話は一切なかったので驚いた

「ココ? 元気なの? 最近、ジョーとケーゴの電話も出てないんですって? ママもパパもふたりからココの様子を聞いていたから心配していなかったんだけど、最近は連絡取れないって二人が言っていたから心配していたのよ。元気でやってるのよね?」

どうやら両親はココを気にしていなかったわけではなかったらしい

「あ、うん 元気だよ? 最近ちょっと忙しくて・・」

戸惑いながらも姫花と話すココ

「潤也がそっちで撮影しているのよ? 知ってた?」

「え? 知らない・・」

「まぁ、ロスの撮影所で撮ってるみたいだからココの所からは遠いわよね・・ でも、ココの顔も見てくるって行っていたからそのうちひょっこり顔を出すと思うわ」

「うん わかった」

「そうそう、それとねあの二人には口止めされていたんだけど、でもママどうしても言いたくて・・」

あの二人ってどの二人だろう・・って考えていると