季節は8月になり、マキはAQUAで課題をこなしていた

仕事と仕事の間に少し時間が出来たのだが、家に帰るとまったりしすぎてしまうので、ここで課題をこなすことにしたのだ

マキがAQUAに顔を出すたびにこの頃かならずいる男

北斗がカウンターに座っていた

アルコールを飲んでいる様子がないので、きっとこの後まだ仕事が残っているのだろう

少し、北斗の背中を眺めていたマキが再び、課題に取り掛かろうとノートに視線を落としたときエレベーターが開いた音がした

その音に顔を上げると、降りてきたのはレン

"こんな時間にめずらし~"

と思いながらマキは視線をノートに戻したのだった

エレベーターを降りたレンは、カウンターにいる北斗に視線をやったあと、奥で座り込んでいるマキを見たが声を掛けることはせずに、カウンターに歩いていき、北斗の隣に腰をおろした

レンが隣に座ったにも関わらず北斗は何も反応しない

「おい・・」

レンはそんな北斗にため息とともに声を掛けた

「・・・・」

それでも反応しない北斗に

「ったく・・ 待ち人は俺じゃないから無視すんのか?」

レンはフッと笑いながら、カウンターに置いてある山盛りの灰皿を綺麗なものと交換した

そんなレンの言葉に北斗は思わず、レンをにらみつけた

「それより、最近どうよ?」

話を変えたレン

「なにが?」

タバコに火をつける北斗