確かにAQUAには何回か連れて行ってもらったけど、そこがVIPルームだなんて知らなかった・・

そういわれれば他のお客さんいなかったけど、そんなもんか・・と気にも留めてなかったな・・なんて思っていると

「じゃあね、ジュジュ! 明日から衣替えだから間違えないようにね~」

と散々喋り倒していたクラスメイトが帰っていった

ジュジュも、用事があって残っているわけでもなかったので、その後姿を見ながらのそのそと立ち上がり、教室を後にしたのだった

生徒がいなくなり、静まりかえった廊下

聞こえるのは自分の足音だけ

窓の外を見ながらボーっと歩いていると、フッと視界に入った後姿

「え?ココ?」

なんかの撮影で今日も休んでいたココが廊下の角を曲がったような気がして、思わずその後を追った

ココらしき後姿が去った先には、職員室や校長室などが連なっている

“休んでいた分の課題かなにかで、担任に職員室に呼ばれたのかも・・”

そう考えながら、久しぶりにココと会って話しが出来る!と少し嬉しくなったジュジュは急ぎ足で廊下の角を曲がった

ちょうど、その先ではココが、「失礼します」と挨拶をしながら扉の中へ姿を消したところだった

その光景に

「え・・・ なんで?」

ジュジュはさっきまでの勢いを一瞬で身を潜め、トボトボとココが入って行った扉の前で立ち尽くした

ジュジュの前にあるのは、重厚なドア

職員室の引き戸ではない

そう、ココが入っていったのは校長室だった