キャンパスで 手をつないで

美花は、悠斗と、去年の五月、サークルのハイキングで、同じ班になって、親しくなった。

美花は二年生。
悠斗は新入生。

三月まで、高校生だったと思うと、美花は、気楽に悠斗に、話しかけた。

「私、もうすぐ誕生日なんだよね~。五月生まれってさ、学年変わると、すぐ年とっちゃうし、まだ、友達いなくて、プレゼント少ないし、損なんだよね。」

何気なく、話した美花の言葉に、悠斗が答えた。

「そうかな?五月って、何となく、爽やかなイメージがあって、オレ、好きですよ。もし、プレゼント少ないなら、オレ、ケーキおごりますよ。」

美花の心臓がドキンとした。

……『ただの社交辞令じゃない。何ドキドキしてるのよ。』
「あ、ありがとう。ひとつじゃ、たりないよ。十個くらい、行けそうだけど。チョコに、イチゴに、モンブラン、あと、ミルフィーユも好きなんだよね。」

悠斗がまた、答えた。

「オレ、ケーキ食わないんで、よくわかんないっすけど、バイキングとかありますよね。」

……『エッ。本気かな。』

美花は、少しうわずった、軽い調子で言った。

「楽しみにしてるね。約束だよ。」

気楽に話しかけていた悠斗に、何を話していいか、わからず、美花は、急に無口になった。