「生徒会長」


正直なところ、こんなもんは勉強とスポーツがそこそこ出来て、教師ウケがよければ誰でもなれると思う。

俺じゃなければいけない訳ではない。

それは俺自身がよく分かっているし、副会長の逢沢や他の役員だってきっとそう思っている。

それでも、中学の延長で取り繕ろわれた期待の言葉に背中を押されるままこの役に就いたのは、持っていて損ではない肩書き欲しさの為。

ただそれだけで。

だから。

「生徒会長」だという事を理由に何か言われたって何とも思わない。

そもそもそんな自覚、俺には無い。

スポーツも勉強も、人間関係も恋愛も。
適当にこなせばいいし、評価をもらってその後飽きたら捨ててしまえばいい。

いらない努力はしない。
面倒ごとには関わらない。


それが俺だった。