連休明けのクラスは、皆未だ切り替えができていないのか、まったりとした雰囲気が流れていて。
テスト前だというのに、と担任にため息を吐かれた。

そう。

テストまで、あと二日。

退屈な授業中、時折斜め前の席に座る安藤の背中を盗み見る。
さらさらの黒髪。かっちりと着こなした制服。すっと伸びた背筋。

安藤の親父の話
ナツメという、従兄弟。

連休前とは比べ物にならならいくらい、安藤すみれという人物は俺の中で特別なものになっていた。


こうして、たった一人の女のことで心が一杯になっている自分に、くすぐったくて、情けない気持ちになった。


―大切なヤツなんだ―


はっきりとそう言ってのけたナツメ。

そんなふうに堂々と言える事が羨ましい、と一瞬思ってしまったことは、気のせいだと意識の外へ放り投げた。