湯気の立つ、ご飯や味噌汁、焼き魚。
隣に立ち、テーブルに並べられたそれを見ていたナツメは、わあ、と声を上げると、エプロンの腰ヒモを解いている安藤の肩を乱暴に叩いた。
「すげえじゃん、すみれ!あのすみれがここまで料理が出来るようになるなんてなあ…!!」
その言葉に、安藤は少しだけ頬を赤らめて、
「…か……簡単な料理じゃないか」
―なんて照れて、そわそわと手を動かし始めて。
……そんな二人を見ていると、心の奥で、得たいの知れない黒いもやもやが溜まっていく。
俺は眉間に皺を寄せて言った。
「…さっさと食おうぜ」

