「本当に…急ですまない…」

風呂からあがった俺に、今日泊まる部屋を案内した安藤は、どこからか布団や枕を運んでくると手際よく寝床の準備を始め、それが済むと、畳の床に正座し眉を下げて俺に謝ってきた。

その隣にしゃがみこみ、安藤の頭をぐりぐりと撫でる。

「気にするなって言っただろ」

安藤は、俺と一瞬だけ目を合わすとすぐに視線を逸らし、首を振ってため息を吐いた。



「…七澤には、迷惑をかけてばかりだ」



…迷惑だなんて、少しも思った事はなかった。


「そんな事思ったこともねえよ」

そう言って笑った俺を、安藤はきょとんと見つめてきて。





そしてまた、あの笑顔を見せてきた。