そんな事を考えて、ふ、と自嘲の笑みが漏れた。


……馬鹿じゃねえの。

これじゃあまるで、安藤に、男として意識してもらいたいみたいだ。


下らない。


……下らない。


俺はざぶんと音を立て湯船から上がり、乱暴な手つきで扉を開けて風呂場を出て、脱衣所に入った。


こんな感情はいらない。
必要ない。


面倒くさいことは、……嫌いなんだ。


そう思うのに、奥底の心は、その熱を増していた。

そしてこんな時に脳裏に浮かぶのは、花が咲いたような安藤の笑顔、道場で見た凛々しい顔。


…本当に、面倒だ。