結局、巨体に腕を掴まれ引きずられるようにして席につかされた俺は、二度目の安藤の夕飯を味わう事になった。

そしてやはり、旨かった。







「…すまない…。父は、一度こうすると決めたらどんなに説得しても聞かないんだ」

俺の少し前を歩き、風呂場へと案内する安藤が眉を八の字にして振り返ってくる。

そんな顔をされると、嫌だとは言えなくなる。

それに、事実、嫌ではないのだ。

ただ自分の欲に勝てないと思ったから、帰らなければいけないと思った。


でも、そんな俺の、奥底に沈めた本心を
安藤の無意識の行動がいちいちつついてくる。


……それが、一番厄介だ。

「…いや、いい。気にすんな」


…こんな言葉を、言わざるを得なくなるのだから。