「…私の料理で死んでも知らんぞ」 「安藤のせいで死ねるなら幸せだ」 こう言えば安藤がどんな顔をするのかはわかっている。 それが見たくてわざと言う。 思った通り、安藤は顔を真っ赤にして 「よくもそんなこっ恥ずかしいことをサラリと……っ」 俯いて、艶やかな髪をガシガシとかいた。 「と、とにかく…教えてもらうからなっ!今日は数学だ!」 そう言って、俺の目の前にずずいと数学の教科書とノートを出してくる。 俺は頷いてそれを受け取った。