俺の言葉に、安藤がうれしそうに目を細める。
花が咲いたようなその笑顔に、目を奪われた。
きっとこんな笑顔を向けられたら、俺以外の男子だって固まってしまうだろう。
できればもう誰にも見せないでほしい―なんて、そんなことを考えた俺は。
やっぱり、おかしいのかもしれない。
安藤といると、たまに胸の奥が熱くなり、くすぐったくなる。
この感情が、よく分からない。
分かりたくない。
だってそういう「面倒くさい」ものは、俺には必要無い。
俺はそのモヤモヤから再び意識を夕飯を食べることに戻し、黙々と料理を口に運ぶことに集中した。
すぐに料理は俺の腹に収まり、まだ半分も食べていない安藤は、男の食欲は凄いなとうれしそうに呟いた。
その時だった。
「すみれー!帰ったぞ!!」
地響きがしそうな野太い声が、玄関の方角から聞こえてきたのは。

