窓の外の景色は刻一刻と色の深さを増していく。

青から紫へ、紫から黒へ。

二人っきりの教室。
穏やかに流れる静けさ。

呼吸のリズムに合わせて微かに上下する安藤の華奢な肩。


そのひとつひとつに、鼓動が速くなり胸が熱くなる。

―どうかしてる。


触れていた手を離し、気を紛らわせる為に安藤から視線を逸らした。



しばらくそうしていると、下校時間をしらせる放送がスピーカーから流れ出した。