その時インターホンが鳴った。 「桜庭君だよ」 杏里が言った。 あたしはゆっくりと玄関に向かった。 「姫…!」 「…」 「2人の問題は、2人で解決してよね?」 「お互い本当の事言えよ」 後ろから杏里と琉也君の声がした。 …言わなきゃわかんないこともある。 「…ごめんなさい」 「俺も、ごめん…」 「ほら、桜庭君、もう11時すぎたよ!」 「あ、本当だ…」 「杏里、琉也君ありがとう…」 「おやすみ♪さっさと帰んなきゃ、間に合わないよ!」 …何が? と思ったけど聞けなかった。