心 ―ハジマリノウタ―





「そうか。ありがとう!

君の能力が覚醒するまで、

任務はないよ」




「それから、もう1つ話しておかないと

いけないことがある」




にっこりロックが笑うと、

横から、ジグが口を出した。


しわがれた声が、初めて部屋に響く。


私はジグに視線を移した。


彼は闘志を秘めた灰色の瞳で

私をじっと見返した。




「ドレイは、決して自らの意思を

持っているわけではない。

人を襲うように造られている、

ただそれだけだ。

だが、その中にも意思を持つものが居る」




平淡に響く声。


抑揚のない声は妙に耳に残る。


ハートを持つ者、と彼は呟いた。


ハート…つまり心?




「彼らは数こそ少ないにしろ、

その名の通り、

性格を持ち、感情を持つ。

それは、壊しにくく、強力で、

どんなに壊しても再生する。

昔、一人だけ、壊した者がいるそうだが…」