心 ―ハジマリノウタ―




「いーえ、

姫を守るのは、男の務めだからね!」




少年は笑って、私の手を引いて

その部屋を出た。


主も少年について、私の後ろを歩いている。


廊下はひんやりと冷たい。


ピンク色の壁も、並ぶ扉も、

永遠に続くかのように、

限りなく奥の闇に消えている。


この建物は、見た目より

ずっと大きな構造をしているようだ。


手を引かれて辿りついた場所は、

昨日と同じ

テーブルやソファが並んだ部屋だった。


部屋に入ると、奥のソファに人影が見えた。


近付くに連れて、それが

昨日の若い男と老人だということが分かった。


彼らも、私たちを認めると、

スッと腰を上げて、

私たちを迎えた。




「あぁ、よかった!

目覚めたんだね?」



ロックと呼ばれた男が、ホッとしたように笑った。


ジグと呼ばれた老人も頷いている。


私の変わりに、主が答える。




「はい。

ついさっき、気がつきました」