心 ―ハジマリノウタ―




「この通り、目を覚ました!

それで、2人は何て?」




怒ったような強い声の主に、

扉から入ってきた少年は眉を下げた。




「それが、教えてくれないんだよね。

ま、早いとこ連れて来いってこと!」




少年はそう言うと、私に視線を移し、

手を差し出した。


その手は、私に向けられたもの。




「それじゃあ、姫…

行きましょうか?」




私は、その手を取って、ベッドから降りた。


長い間眠っていたのか、

床に着いた足がふらついた。


バランスを崩し、倒れると目を瞑った時、

グッと手を引かれ、私は何かに支えられていた。


主とその少年だった。


見張り番は、私が転んでも、嘲笑しただけだった。


工場の主は、助け起こそうともしなかった。


この人たちは、何故、私を助けるのだろう?


私には分からないし、

分からなくてもいいのだ。


私は2人から離れると、頭を下げた。




「すみません。

ありがとうございます」