心 ―ハジマリノウタ―





私は奴隷で、

彼は私が仕える主。


それ以外の何者でもないというのに。


主様は、私の言葉に首を振った。


否定を表す仕草に、私はいよいよ分からない。


主は何を望んでいる?





「だから!

もう、主と奴隷って言う関係はやめよう。

僕のことは、

名前で呼んでくれればいいから」





名前。


彼という人格につけられた名。


けれど、知る必要があるのだろうか?


主と奴隷の関係をやめる。


それはつまり、私たちの間に

何の繋がりもなくなるということ。


名を知る必要もない。


クリスタルは間違っていて、

私は奴隷工場へ戻る。


だたそれだけのことなのだ。