心 ―ハジマリノウタ―





起き上がっている私を見て、

目を覚ました主様は微笑んだ。


寝ずに私についていてくれたようだ。


目の下の隈がそれを物語る。




「痛いところはない?

話せる?」




何も言わず、微笑むこともない私に、

主様が不安そうに声をかけた。


微笑まなかったわけではない。


微笑など、私は持っていないのだ。


取り戻せるとはいえ、

私の心は、私の中には存在しない。




「はい。私についていて下さって、

ありがとうございました、主様」