心 ―ハジマリノウタ―




奴らに、会いに行こう。


気は進まないが、それしか手段がない。


行って、説明しよう。


きっと、わかってくれるだろう。


奴らも、ユアを愛しているから。


とは言っても、どこへ行けばいいんだろう?


分かるのは、ダラーシアの近くのアジト、

ということだけだ。


能力者のアジトは3つ。


1つはジグのアジトで、ここから近いのだから、

それはありえないだろう。


だとしたら、西の方にあるアジトだな。


もう1つは、もっと北にあって、ダラーシアとは

正反対の方向にあるはずだから。


ソファの端に俺を避けるようにして座るユアを

そっと見つめた。




「ユア、少し出かけてくる。

時間がかかるかもしれないけど、

できるだけ早く戻ってくるから。

待ってて」




彼女は待ってて、という言葉に

肩を震わせると、視線を下げた。


ユアに、じゃあ。と声をかけると、

玄関まで歩き始める。


背中に小さな声が届いた。




「気をつけて」




俺は振り向いて頷いた。


一瞬だけ、目が合った、気がした。


ユアの居る部屋が見えなくなると、

俺は、目を閉じた。


ユアを救える、唯一の光に会いに。


南西アジトへ。


俺はワープした。