心 ―ハジマリノウタ―





「何か、何か方法はないのか」



今まで黙り込んでいたフェイクは

搾り出すような声で言った。


ジグは難しい顔をして言った。



「心の闇について書かれた本があった。

そこには、喜びや愛、友情などを表す

沢山のプラスの想いに囲まれていれば、

蝕むのをとめることができる。

と、書き記してあった。

だが、完全にそれを消し去ることは、

できない、と…」




再び項垂れるジグ。


もう、彼らが待っていてくれるのかどうか、

私には分からなかった。


私はそっとフェイクを見上げた。


彼はこぶしを握り締めて、

何か考えている。




「今回の任務もそのためだったのだ…」



「…どういうことですか」



「お前にそんな兆候は見られなかった。

だが、最近は感情の激動が多く、

心配はしていたのだ。

新種のドレイの治療や、裏切り…

だから、お前を彼らの元へ

返すべきだと、判断したのだ」




彼らの愛は、心の闇を

食い止める事が出来るから…?


だから、ジグは帰ってきた私を見て、

喜びの反面、不安を見せていたのか。


私が、こちらを選んだから…。