「私の心は、以前イレのものでした」
私がそういうと、彼は頷いた。
その色の薄い瞳が私を見透かすように
見つめた。
「先ほど、そのイレの声を聞きました。
私は、何かに蝕まれているような
そんな感覚で…。
何か、知りませんか」
私の話を聞いているうちに、
ジグの表情はどんどん暗くなっていった。
何か、知っているのだろう。
答えを聞く前から、その表情で分かった。
瞳を瞑ったジグに私は更に問う。
カトレアもフェイクも、
今は黙り込み、彼をじっと見つめている。
「教えてください。
彼女を生み出した
貴方なら、知っているはずです」
「消えたと思っていたが、
そうではなかったのか…」
ジグは悲しげに息を吐くと、
顔を上げて、言った。
「それは、“心の闇”というものだ」

